1970年 ブリヂストン350GTR入庫です。

1970(昭和45)年12月、埼玉上尾ブリヂストンサイクル工場で製作された、いわゆる後期型の350GTRになります。
前期/後期の違いはカラーリングとシートロゴの違い、といった外装の違いのみとなります。
前期はキャンディレッドにメッキタンクが組み合わされた旧車らしいもので、一般に350GTRというとそちらが知られていますが、1970年代テイストを取り入れた後期型にも実は熱心な愛好家がおられます。
本車両は2008年に当商會で工場出荷時の状態に忠実にレストレーションされた車両になります。
わずかな変更点は鉄リムからアップグレードされたH型アルミリムと、本来設定のなかったウインカーの装着になりますでしょうか。

後期型のグラフィックは燃料タンクのそれが実に印象的ですが、ブリヂストンオートバイの最後を飾った100ccシングル、200ccツインなどと通底するコンセプトが感じられ、これを監修された故・横山篤さんのデザインの伸びやかさが感じられて私は大変好ましく感じています。
走行距離は5,353マイル(約8,500km)と年式からしたらローマイレッジ。
左側がスピードメーター、右側がタコメーターになっております。
トップブリッジのアッパーにメーターホルダーを介してフローティングで取り付けられていて、レーシーかつスッキリしています。

エンジンは空冷2気筒。350ccツイン。
6速、乾式クラッチ、ポーラスメッキ処理の施されたアルミシリンダー、40馬力。
1967年デビューのオートバイとしては、当時同クラスのライバル車と比べて頭ひとつ以上飛び抜けた性能を誇りました。
また、本車はかつて別冊モーターサイクリスト誌(2008年12月号)の表紙を飾っており、なおかつ誌面上ではテストライダーによる試乗記事に供されたという輝かしいヒストリーがあります。

1960〜70年代の2ストローク旧車として想像されがちな気難しいじゃじゃ馬、というより、むしろ街乗り域では乗りやすく、高速巡行域では100マイル/hを目指して開発されたというだけの力強さと安定性を誇るオートバイです。
ブリヂストンオートバイが、生産を止めずに、その後も作り続けてくれていたら、このあともっとすごいオートバイを開発してくれたのだろう、と思わせてくれる、あたかもマイルストーンのような1台だと、私は強く思います。
ブリヂストンオートバイ、幻の旗艦に興味のあった方、この機会にいかがでしょうか。
車両本体価格 1,550,000円(消費税別)〜諸費用別途かかります