昨年秋に日本へ約40年ぶりに里帰りを果たしたBS 350GTOですが、おかげさまでこの度新オーナー様も決まり整備作業に取りかかることになりましたので、その模様をレポートして行きたいと思います。
ふだん密林商會で行われているブリヂストン車路上復帰計画の一端をお楽しみいただければ幸いです。
もともと生産台数の少なかったGTOだけに、大きな欠品のないのが何より肝要です。現車の場合、樹脂製のオイルタンクが割れていたので、これを純正新品に交換するのと、フロントフェンダーがGTR用となっていたのでこれを本来のものに戻すことが必要となりました。後期型用のグラブバーも欠品していましたが、これは以前に当商會にて復刻したものがありますので問題ありません。
まずはエンジンを降ろし、全分解します。そして気になるクランクの状態を確かめます。
クランクの振れ自体は許容範囲内であり、ベアリングも40年を経過したわりには状態が良かったです。ただしラビリンスシール部のOリングのみ切れていました。
とはいってもせっかくクランク単体となったので、クランクベアリング4個、コンロッド大端ベアリング2個、ラビリンスシールのOリングを交換した上で、バランス取りを施します。
これらはどれも専用ベアリングなので、ストックのBS純正部品にて交換となります。
クランクまわりのベアリングを交換しておくとエンジンの吹け上がりのフィーリングが滑らかになるので、GTR/GTO系の納車整備のメニューとしては是非ともやっておきたいポイントのひとつですね。
〜つづく〜