1963年製のPiaggio Vespa 150G.L 入庫しました。
2007年にレストアが施されて、その後走行距離はわずか230kmというローマイレッジ。レストア完成時の姿をほとんどそのままに留めたグッドコンディションの車両です。
このG.Lは、歴代Vespa史上に於いて初の角形ヘッドライトを採用したモデルになりますが、その成り立ちはいわゆるstd.と呼ばれていた8インチの150ccモデルを豪華にした上級版という位置づけであり、また当時のスポーツモデルであった160G.Sとstd.との間をつないだ中間車種として投入されたことにはじまります。
ちなみにランブレッタでいうと150Li-Specialがそれに近い存在ではないでしょうか。
8インチから10インチへと、それまでスポーツモデル専用だった大径タイヤがおごられ、それに伴いフロントフェンダーもグラマラスになりました。またインチアップに伴ってギア比の見直しも行われ、よりパワフルな走りを実現することとなりました。
G.Lが嚆矢となった角形のヘッドライトはやがて65年発表の160G.Sの後継スポーツモデル180S.Sへと受け継がれましたが、1960年代前半〜中頃のデザインを象徴するかのような、この未来的なヘッドライトは、登場がちょっとだけ早すぎたのか、やがてオーソドックスな元の丸形へと回帰していくことになりました。
でもそれだけに、ある種の人たちとってはたまらない魅力をもって映るのがこのG.L/S.Sラインです。エンジン、外装とも良い状態を保ったこの1台、クラシックべスパ入門の1台としてもおすすめです。
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