じつに艶やかな黒の1957年製、Piaggio Vespa 150 (VB1 ) の入庫です。
レストア後、お天気の良い日に何回か走らせたのみ。
大事に室内保管されてきた、美しい車両です。
もちろん、機関も好調を維持しております。(組み立て時シリンダーボーリング&ホーニング、新品ピストンセット組み込みのため、未だ若干の慣らしは必要です)
1946年にはじまるVespaヒストリーを振り返ってみれば、発表当初には98ccだった排気量がすぐさま125ccへと拡大され、それ以降およそ60年にわたって125ccこそが長らくVespaの「スタンダード」として活躍したことがわかります。そして時代の流れに従って、上級車種として新たに設定されたのが150cc。日本では「スワンネック」として知られるモデルが、まず登場しました。
それまでの125ccがユニークな「フェンダーライト」型だったのに対して、ハンドルバー上にライトを持って来たことでニューモデルが投入されたことを演出していました。
そのスワンネック型を更にリファインした二代目モデルが、このVB1型になります。発表は1957年。二年間でおよそ10万台が生産されました。
この150ccモデルが誕生した1950年代半ばといえば、まさしくスクーターの黄金時代。時を同じくして「スポーツスクーター」としてのG.Sも発表されています。
さて、このVB1はそうした黄金時代の真っ只中に発売されただけあって、スワンネックにGSのヘッドセットを取り付けたような外観...なのですが、ある意味、むしろ150G.Sをローダウン、8インチ化カスタムしたらVB1になってしまった!と表す方がより正確なのかもしれません。
しかもそれでいてエンジン側カウルは、フェンダーライト系伝統のガルウイング機構で開閉をするところなど、歴代Vespaの「いいとこ取り」の感もあり、マニア心をかなりくすぐる
1台ではないでしょうか。
フレームの造形がより美しく見えるようにシングルシート&荷台の状態も良いですが、使い勝手を考えて、タンデム用シートも付属しています。前後タイヤは希少なコンチネンタルLBホワイトウォール(新品)。これまた実に粋な組み合わせ。またレッグシールドモールはVB1の工場出荷時に準じて装着していない仕様で仕上げてあります。
また、スペアタイヤ&スペアタイヤホルダーも付いており、リアまわりのボリュームが増してゴージャスな感じです。もちろんスペアタイヤもコンチネンタルLB。脱着は容易ですので、こちらもお好みでお楽しみいただけます。
Thanks Sold !!