丸正自動車製造製、ライラックランサーマークV MF39が50年ぶりに日本へ里帰りを果たしました。
1959年のデビューから、今年で生誕50周年のアニバーサリーを迎えたライラックランサーシリーズ。フレームNo.と製造記録から、この車両は1960年2月製ということが判明しました。長年の使用により、致し方なくいくつかのパーツがオリジナルから変更されてしまっていますが(マフラー、テールランプ、バッテリートレイetc...)、全体としてはオリジナルをよく留めた個体といえます。300ccバージョンである、このMF39型、およびスタンダードバージョンであるMF19型(250ccでは同様にLS38型/LS18型となる)その両者を合計した製造台数はおよそ600台前後とされていますので、今では現存すること自体が貴重といえます。
「LANCER MARKV」のステンシルも誇らしいゼッケンプレートはオリジナルのままの塗色なので、これを参考としてレストア作業に入る予定です。細部のディティールは、オーナーズクラブ「ライラック友の会」会員さん所有の車両や、浅間記念館に所蔵されている、かつて林英次さんが所有していらした同型車(チャコールブラックのフレームにアイボリーのタンク)をもう1度きちんと見てきて、きちっと検証してから取りかかる必要がありそうです。
ちなみに、この車両は深淵なるライラックの世界への入門&オリジナル状態への復元を前提に入荷したものなので、現状での販売は予定しておりません。悪しからず。ただ作業状況は順次お知らせしていこうと思っています。
しかしながら、写真にもちらっと映りこんでいるVespa 150G.S VS5が、このライラックとほぼ同年式だというモーターサイクル史的事実に気がつくに至り、個人的には曰く言い難い感慨に打たれた次第であります。